フォニックスは意味ない!という主張を聞いたことはありますか?この記事では、子供の英語学習にフォニックスは必要ないと一部で言われている理由とその対策について書いています。
フォニックスには英語の発音がよくなったり、単語が読めるようになったり、聞いた単語の綴りを書けるようになり、文章の読みにスムーズにつなげることができるというメリットがあります。しかし一方で、フォニックスは意味ない、フォニックスなんていらないという意見もあるんですね。
フォニックスは本当に意味がないの?という疑問に対しては、我が子を見ていてそんなことはないと感じています。ただし、フォニックスは万能なわけはなく、フォニックスだけでは不足があるのも事実です。
実際、多少の簡単な単語が読めるようになっても、英語の文章が読めるようになるわけではないということには注意すべきです。
フォニックスの課題と対策方法を詳しく解説します。
フォニックスを教えている先生にもフォニックス不要論に対するご意見を伺っていますので、最後まで読んでくださいね。
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フォニックスは意味ない・いらないと言われる理由
では、フォニックスを学ぶことに意味はないと主張する人たちがいるのは何故でしょうか?しかも、調べたところ英語教室の先生にも、反対意見を主張している方がいるんです。
実際、フォニックスには次のような弱点があります。
- ルールにあてはまらない例外がある
- 単語を知っていることが前提
- 文章をかたまりとして読めるようにはならない
それぞれの懸念事項について、英語教室「Englishroom Picnic」で英語を教えられていて、フォニックスの専門家であるKayoko先生にご意見を伺いました。
ルールにあてはまらない例外がある
フォニックスの一番の懸念事項は、フォニックスのルールには例外あるということです。
実は、フォニックスで英語を読めるというのは、正確には「フォニックスで英単語を読めるようになる」という意味なんです。そして、それはすべての英単語ではなく、多くの英単語という言い方をした方が正しいです。
ん?どういうこと?
一般的にフォニックスのルールがあてはまるのは全体の単語の70~75%で、残りの25~30%は例外になると言われています。
つまり、せっかくフォニックスのルールを覚えても、その通りに読めない単語が3割程度あるのであまり意味ないんじゃないかということですね。
フォニックスを教えられているKayoko先生、7割というのは事実ですか?
たしかに「フォニックスのルールが当てはまるものは、単語全体の7割程度」と言われています。
さらに詳しく聞いたKayoko先生のご意見は以下になります。
フォニックスのルールが当てはまるものは単語全体の7割程度と聞いて、あなたは「7割もルールに当てはまる」と捉えるのか、「たったの7割に過ぎない」と捉えるのか、どちらのタイプですか(笑)
人によって、考え方も違えば、学習への取り組み方法も異なるわけで、前者の捉え方ができる人にとっては、「フォニックスは学ぶ価値があるもの」になりますし、後者の場合は「あまり意味がないもの」になってしまうのは仕方のないことだと思います。
また、子供の学習意欲や状況によっても捉え方が変わってくるのではないでしょうか。
たとえば、単語を見てもまったく読み方がわからない・覚えられないという子にとって、7割でも通用するルールがあれば、学習に対するハードルはかなり下がるはずです。
反対に、単語を見てすぐに読み方もわかるし、たくさんの単語を覚えることが苦痛にならないという子にとっては、7割しか通用しないルールはあてにせずに暗記して身に付ける方がよいのかもしれません。
「必要な人に、必要な時に、必要な学習法」が届くことが重要で、フォニックスに関しても同じかなと思います。
我が子の場合は7割読めるというのは大きかったです。子供は基本的なフォニックスは学びましたが細かいルールまでしっかりと習得したわけではありません。
本人はフォニックスのルールを意識して「これはこのルールにあてはまるからこう読む!」と考えて読んでいるのではなく、なんとなくで単語を読むときの助けになっている感じがします。
それでも、あたりをつけて読めることが助けになり、英語多読のスタートはスムーズに進めることができました。
たしかに複雑な単語になると読めないですが、フォニックスはやってよかったです。
絵本などのやさしい文章のうちは、単語も簡単なのでルールにあてはまるの単語も7割より多い気がします。
似たような理由で、「発音は分かっても意味は分からない」から必要ないという意見もありますが、これも同様に「発音だけでもわかるなんてラッキー」と思えると学ぶ価値はありますよね。
単語を知っていることが前提
フォニックスは本来、英語圏の子供向けに生まれたものです。
日本で暮らしていると、ネイティブの子と比べて圧倒的に英語のインプットが足りないんです。つまり、英語の語彙やフレーズの蓄積があまりない状態の日本の子が、英語圏の子供のためのフォニックスを同じように学ぶのには適さないとうのがフォニックスはいらないと主張される理由です。
たしかに、英語ネイティブではなくそもそも単語をあまり知らない状態の子は、フォニックスのルールを学ぶよりも先に単語やフレーズをインプットすることのほうが必要な場合もあります。
幼児向けの英語アプリや教材などでは、単語とフォニックスの音を同時にインプットしていくとうい方法もあります。
英語の蓄積が十分でないままフォニックスを理論面から学ぼうとしてしまうと楽しくないばかりではなく英語に対する抵抗感がでてしまいます。
特に後半部分の綴つづりと発音の関係性に入るのは、子どもの様子を見ながら進める必要があります。
こちらもKayoko先生にご意見を伺ってみました。
たしかに日本に住んでいると、意識的に英語環境を作らない限り、英語に触れる機会は現状では少ないですよね。
そんな中、いきなり幼少期に、フォニックスルールから学ぶとどうなるか…退屈で面白くない…と英語嫌いを生んでしまう可能性はあります。
だからこそ、フォニックスを学ぶ前に、幼少期にはできるだけたくさんの英語の音に触れることが大切です。
それは毎日英語で会話しなくてはいけないとか、インターナショナルスクールに通わなければいけないとか、そういうことではありません。ご家庭で気軽にできること、例えば、英語の音楽を一緒に聞いたり歌ったり、英語圏の子ども達がみるような幼児番組を見たりなどを習慣的に取り入れることで効果があるのです。
そういう意味でも、幼児向けのフォニックスアプリやフォニックス動画は「ルールを学ぶ」というより「楽しく身に付ける」に焦点を当てているのでとっかかりとしてはとてもおすすめです。
「え、でも我が子はもうすでに小学生。幼児期に英語の音に触れさせることはしてこなかった…」と思う方もいると思います。でも、大丈夫です。小学生であろうと、まだまだ音に対して柔軟な時期。私達大人に比べるとはるかにスムーズに英語の音を受け入れることができます。
文章を読めるようにはならない
フォニックスのルールを知ると(ある程度は)単語は読めるようになります。しかし、それだけでは文章をスラスラと読めるようにはなりません。
はい、なりません(笑)なぜなら、フォニックスは音と綴りの規則性、ルールです。
話せるようになるためには、土台となる語彙力、文法力、そして発音力が大切ですが、フォニックスは発音力をつけるために大いに役立つと思います。
ですが、あくまでも音と綴りの規則性のルールなので、フォニックス=文章スラスラ英語ペラペラ、と考えるには無理がありますよね。
フォニックスで単語を読めるようになった子の最初のステップとしての読み方は、「I・play・the・piano」のように、単語を1つずつ読むような感じです。日本語でも、ひらがなを読み始めの頃は1文字ずつ読んでいったりしますよね。
我が家はフォニックスである程度単語が読めるようになった後、マジックキーキッズアカデミーという多読中心のオンライン英会話レッスンを受けています。
小学生の娘は、英語多読に取り組むことで、それまでとぎれとぎれで読んでいた長い英語の文章もスラスラと読めるようになりました。詳しくは以下の記事をご覧になってください
つながりとしてスラスラ読めるようになるにはそれをつなげて文全体として認識できるようになる必要があります。
そもそも、「これさえやれば簡単に英語が話せるようになる」なんてものは存在しません。
大人であれば、英語を話すために自分には何が足りなくて何を学ぶ必要があるのかを分析することが大切ですし、お子さんであれば、英語を身に付ける過程で何からすべきなのか、その年齢で、またはその子に何が適しているのかを身近な大人が理解して提供してあげることが重要です。
確かにフォニックスは万能ではなく、英語を習得するための1つの方法にすぎないんです。
ただし、子供の英語学習にフォニックスを組み合わせることでその効果は計り知れないと私は考えています。不足部分を補う方法についてはこの記事の後半で説明します。
子どもが英語学習でフォニックスを学ぶメリット
ここまで説明したようにフォニックスに弱点があるのは事実です!ですが、それを上回るほどのメリットもあるんです!子どもが英語学習の初期の段階でフォニックスを学ぶことには、次のような効果がありますよ。
- 発音が良くなる
- 初めて見た単語でも読める
- スペルを知らない単語も予想して書ける
- 文章の読みにスムーズに移行できる
詳しくは以下のフォニックスについて解説した記事で説明していますが、子供がフォニックスを学ぶのにはたくさんのメリットがあると感じています。
フォニックスの弱点を補う方法
フォニックスをやれば英語が話せるようになるというものではなくて、フォニックスはあくまで英語学習の手段の1つ。フォニックスだけでは足りない部分は他の学習方法で補う必要があります。
では、このようなフォニックスの弱点に対してはどのように対処すればよいのでしょうか。
たとえば、フォニックスの読みの例外については、サイトワードと呼ばれる重要頻出用語は覚える必要があります。上記で説明したように、英語のインプットを続けながらフォニックスも学び、ある程度ルールが身についてからは、単語読みから文章の読みへの移行として、英語絵本などの音読、音声のかけ流しなど文章として読むことを意識したインプットも必要です。
正確には、フォニックスだけでは足りない部分を他の学習方法で補うのではなく、子供の英語学習での取り組みをメインとしつつ、読みに入るためのサポート手段としてフォニックスを取り入れます。
英語は会話だけをしていても読めるようにはならないし、文法だけ学んでも英語を聴き取れなかったり会話でのやりとりができなかったりしますよね。
大切なことは英語の技能習得のために偏りなく幅広く学ぶことです。特に子供のうちは耳からのインプットが最重要です。幅広くインプットを続けつつ、並行してフォニックスを学ぶことをおすすめします。
フォニックスは意味はないと主張している意見について
フォニックスはいらないという意見を述べている方をネットで調べたところ、意外にも子供向けに英語を教えている英語の先生がこのような主張をされていました。
ご自身の生徒さんが、フォニックスがなくてもしっかりと英語力を伸ばされているので、フォニックスがなくても他のアプローチで英語力をつけることはできると実感されているのでしょう。
つまり、英語を学ぶためにフォニックスは必須ではないと考えているんですね。
フォニックスのルールを学ばなくても、大量に英語のシャワーを浴び続ければ、感がよい子は感覚で読めるようになるのだと推測します。セルフフォニックスとでも言いましょうか。
そのような教室ではフォニックスのルールを学ぶ時間を英語のインプットに当てたほうが効率的なのかもしれませんね。ただ家庭でこれを再現するのは難しそうですし、一般的にはやっぱりフォニックスを学ぶのが手っ取り早いように感じてしまいます。
結論:フォニックスを学ぶことには意味がある!足りない部分を補うことが重要
ここまで説明してきたように、フォニックスが子供の英語学習で意味がないとは思いません。
フォニックスを学ぶ意味は大いにあります。英語をある程度学んできた大人の英語学習者ならともかく、英語を学び始めたばかりの子供にはフォニックスは英語学習の入り口としてとても有効な方法ではないでしょうか。
フォニックスは、変なカタカナ読みやローマ字読みが身につく前に学ぶほうが、下手に英語を学んできた大人よりすんなり身につくはずです。
フォニックスってよさそうだな、子供とフォニックスを始めてみよう!と思ってくださったならとても嬉しいです。
英会話教室だけでなく、まずは気軽に試せるフォニックスのアプリや英語教材・テキストやワークブック、子供向けのフォニックス動画などたくさんあふれています。まずはお手軽なところからはじめてみてくださいね。
フォニックスを覚えて英文をスラスラ読めるようになるには
子供にフォニックスをやらせたい、というパパママの目的は「英語の本や文章を読めるようになってほしい」ということではないでしょうか?
読む力を付けるには、英語多読が不可欠です。フォニックスはあくまでその前段階です。
英語多読とは、英語の本をたくさん読んでいくことで、読解力だけではなく英語の総合的な力を付ける学習法です。
うちの子も、小3で英語多読に取り組み始めてから英語力が伸び、英検にも次々と合格することができたので、やってよかったと思ています。英語多読の説明は以下の記事をご覧ください。
ただ一つ、英語多読には難点がありまして、自宅で継続するのは結構大変だと言うことです。マジックキーキッズアカデミーというオンラインレッスンは、英語多読をサポートしてくれる英語スクールです。
我が子もこのマジックキーを利用して、英語多読を継続しています。
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